なぜAppleはiPhone XRに夢中なのか
そもそもiPhoneXRとは
米Apple社が2018年9月に発表したiPhoneのLCDモデルの旗艦である。
同日にはOLEDモデルで昨年発売されたiPhone Xの正統後継機にあたるiPhone XS/XS Maxが発表となった。
iPhoneXR , XS/XS Maxの比較
1つはその価格だ。
XRとXS/XS Maxの最大の違いといっても過言では無いだろう。
詳細を説明すると
税込 | XS Max | XS | XR |
---|---|---|---|
64GB | 124,800円 | 112,800円 | 84,800円 |
128GB | ー | ー | 90,800円 |
256GB | 141,800円 | 129,800円 | 101,800円 |
512GB | 164,800円 | 152,800円 | ー |
となっている。
上の表で価格を見比べると64GBだと少し不安だが128GBのモデルがXRにはある、価格も10万円以内とXSシリーズよりもかなり財布にも優しい価格設定になっている。
2つ目はカラバリだ。
iPhone XS/XS Maxはゴールド・シルバー・スペースグレイと高級感あふれるラインナップだがそれに対しiPhone XRはプロダクトレッド・イエロー・ホワイト・コーラル・ブラック・ブルーの6色と色鮮やかで高級感も兼ね備えている、さらにサイドフレームも各色に合わせた配色となっているためさらに一体感がまして綺麗に仕上がっている。
3つ目はサイズだ。
XSが5.8型OLED、XS Maxが6.5型OLEDなのに対しXRは6.1型LCDで本体/画面サイズは中間にあたる。
サイズ比較
サイズ | XS | XS Max | XR |
---|---|---|---|
厚さ | 約7.7mm | 約7.7mm | 約8.4mm |
高さ | 143.6mm | 157.5mm | 150.9mm |
幅 | 70.9mm | 77.4mm | 75.7mm |
重量 | 177g | 208g | 194g |
iPhoneXRの強み
それはバッテリーだ
バッテリー比較
バッテリー | XS | XS Max | XR |
---|---|---|---|
通話時間 | 20時間 | 25時間 | 25時間 |
ネット利用 | 12時間 | 13時間 | 15時間 |
ビデオ再生 | 14時間 | 15時間 | 16時間 |
オーディオ再生 | 60時間 | 65時間 | 65時間 |
高速充電 | 50%/30分 | 50%/30分 | 50%/30分 |
ここで何故OLEDモデルのXS/XS Maxが総合的に劣っているのか説明すると現在、単純にOLEDはまだ消費電力がLCDよりも高いためと推察できる。
iPhoneXRの弱み
それはカメラにある。
XS/XS Maxと比べカメラがデュアルレンズではなくシングルレンズのため望遠とポートレート性能で差が出てしまう、そもそも現行販売されているシングルレンズ搭載のiPhoneではポートレート(被写界深度エフェクト)は使用できない。
しかしXRではソフトウェアによってそれを可能した。だがデュアルレンズ搭載のモデルと大きく違うのは被写体だ。ソフトウェアで被写体と背景を識別するため、その被写体は人物の場合にのみ限られる、しかしその『ボケ』は確かなものだ。実際に撮影してみたがソフトウェアで人物と背景を識別してボケさせていると思えず、レベルは高いが不自然な写真になることもあり得る。
iPhoneXRのLCD
iPhoneXSシリーズに使用されているのは前モデルのXで採用された白色発光OLEDではなくLG製の自発光OLEDのため、バッテリー性能は向上してはいるのだが今回 XRに採用されたLCDはジャパンディスプレイ製のXRのためにチューニングされたディスプレイでとても高精細につくられ、さらにOLEDの強みは黒だがこのLCDも極限まで黒を追い求めたジャパンディスプレイの本気が現れたディスプレイだ。カタログスペックではXSシリーズが458ppiなのに対しXRは326ppiと数字では劣って見えるが実際に見比べて欲しい、実物を見ると驚くことにXRのディスプレイも鮮やかに再現性はとても高い、色の深さでは劣るかもしれないがXRで十分である。
3D Touchの廃止とHaptic Touchについて
XRのみ3D Touchが廃止されているのは代わりになる技術が見つかった可能性が高く、代わりにHaptic Touchが搭載されLCDディスプレイ上のデジタイザーの感圧の精度を上昇させることによってどれ程の圧力が画面上に出ているかを判断し3D Touchと同じ動作を発揮できている。
それはA12 Bionicチップの高性能ニューラルエンジンにより演算処理しリアルタイムで計測できる様になったと噂されている。
それはiOS 12 開発途中で3D Touch非搭載のモデルでもできることが発覚してしまったのかもしれない、しかも古いデバイスでもそれが可能で、今回 iOS12で3D Touch非搭載のモデルも通知の一括削除など限定されているがそれに近い動きを可能にしたのではないかと思われる。
そこには古いモデルも長く使って欲しいと言うAppleの思いも込められているのかも知れない。